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家事按分

個人事業主の家事按分とは?割合の考え方と記録の進め方

自宅の家賃もスマホ代も、仕事に使っている。でも、生活にも使うので全部を経費にしてよいわけではなさそう。そこで出てくるのが「家事按分」です。

家事按分(かじあんぶん)は、仕事と生活の両方に使う費用から、仕事で使う部分を分けることです。なぜ分けるのか、割合をどう考えるのか、金額の計算と記録のしかたを順に見ていきましょう。

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記事内の金額・利用割合は説明のための例です。

家事按分とは、仕事と私用で共用する費用を分けること

「家事」は、ここでは私生活のこと。「按分」は、割合に応じて分けることです。自分で払った費用でも、生活のために使った分は事業の経費に含めません。仕事に必要だった部分を区別するために、家事按分をします。

たとえば、自宅の回線を仕事にも家族の動画視聴にも使う場合は、双方の利用を考えます。一方、レシートに私用品が別の品目として載っている場合は、その品目を直接分ける作業が先です。

根拠・確認先:国税庁|所得税基本通達45-1・45-2 家事関連費

家事按分は何割にする?業種で決まる?

業種だけで「家賃は何割、スマホは何割」と決まるわけではありません。同じデザイナーでも、自宅に仕事専用の部屋がある人と、外の作業場に通う人では、自宅を仕事に使う範囲が違います。業種は使い方を考える手がかりですが、割合は自分の仕事・私用の状況から求めます。

割合は、仕事に使う部分を全体と比べて求めます。たとえば50㎡の家のうち10㎡を仕事専用の部屋にしているなら、10÷50=20%。面積が使い方を表すこの例では、家賃10万円の20%、2万円が仕事用です。

スマホやWi-Fiでは、部屋の面積ではなく通話や通信の使い方が手がかりになります。費用ごとに基準を選ぶのは、仕事に使っている部分がそれぞれ違うからです。

費用ごとの割合の考え方
費用割合を考える手がかり
家賃家全体と仕事専用スペースの面積。共用場所は使う時間も整理
スマホ代仕事の通話と私用の通話、データ通信の使い道
Wi-Fi代本人と家族が、いつ・何に使うか
電気代仕事に使う機器と、その使用時間など

根拠・確認先:国税庁|所得税基本通達45-1・45-2 家事関連費 / 国税庁|No.2210 必要経費の知識

仕事に使う割合が分からないときは?

最初から正確な割合を答えられなくても、まずは仕事用と私用を分ける手がかりを集めます。家賃なら間取り図、スマホなら通話明細や利用履歴など、費用に合う資料を選びましょう。

たとえばスマホなら、利用履歴に「顧客との通話」「家族との通話」と用途を添えます。ただし、通話時間だけでデータ通信や端末代まで同じ割合にできるとは限りません。請求の内訳も分けて見ます。

過去の記録がなければ、今後の使い方を記録し、過去の予定表や明細とも照らし合わせます。最近の1週間が繁忙期だったなら、その割合をそのまま1年分に使うのは避けます。仕事に必要な金額を区分できない場合は、適当な割合で確定させず、手元の資料を持って税理士や税務署へ相談してください。

  • 対象の支出と期間を書く。例:9月分の自分のスマホ回線料金。
  • 仕事用・私用の利用を、明細やメモで区別する。
  • 何を基準に割ったか、対象期間の使い方を表している理由と一緒に残す。

根拠・確認先:国税庁|所得税基本通達45-1・45-2 家事関連費 / 国税庁|No.2210 必要経費の知識

計算結果だけでなく、割合を決めた理由も残す

割合が決まったら「対象の料金×仕事用の割合」で計算します。たとえば自分の回線料金が10,000円で、利用記録から仕事用70%と説明できるなら、経費は7,000円、私用分は3,000円です。70%は説明用の仮定で、推奨割合ではありません。

金額・割合・計算結果に、割合を決めた理由と資料を添えます。次の根拠メモを使えば、対象期間と資料の場所もまとめて残せます。

割合の根拠を、期間と資料が分かるメモにする

「仕事20%」だけでは、何をもとに決めたのか分かりません。対象の費用と期間、全体と仕事用の量、選んだ基準、資料の場所をひとまとめに残します。間取り図や利用記録は、メモから探せるようにしておきましょう。

下は、自宅50㎡のうち10㎡を仕事専用に使い、面積で事業分を明らかに区分できる場合の架空例です。9月分の家賃100,000円×(10㎡÷50㎡)=20,000円。生活にも使う部屋なら、この面積の例をそのまま当てはめず、使う時間なども整理します。

対象期間の使い方を表している理由も書きます。短い繁忙期の記録だけから1年分の割合を決めず、引っ越しや共用の開始があれば変更した月と理由を追記してください。

家賃の根拠メモ:完成例と自分の記入欄(架空・税込経理)
項目完成例自分の記入欄
対象の費用・期間2026年9月分の自宅家賃。親族への支払いではない費用名:__/期間:__
按分前の金額100,000円金額:__円
全体と仕事用の量自宅50㎡/仕事専用10㎡全体:__/仕事用:__
選んだ基準・理由面積。10㎡は対象月を通して仕事専用で、私用・共用の場所を含めない基準:__/理由:__
割合と計算10÷50=20%/100,000円×20%=20,000円割合:__%/計算:__
根拠資料の場所家賃請求書、間取り図、仕事部屋の使用メモ:2026/09/rent/資料名:__/保存先:__
見直す日・きっかけ10月末に変更の有無を確認。引っ越し・共用開始時にも見直す確認日:__/変更理由:__

根拠・確認先:国税庁|所得税基本通達45-1・45-2 家事関連費 / 国税庁|No.2210 必要経費の知識

自分の金額と割合を試算し、根拠メモを保存する

対象にする費用の範囲と、根拠を説明できる割合が決まったら、下の欄へ入力してください。金額は按分する前の対象額です。スマホの請求に端末代などが混ざる場合は、回線料金と同じ割合でよいか先に分けて考えます。

結果には事業分と私用分が表示されます。計算が合っていても、業務に必要な部分を明らかに区分できたことの証明にはなりません。入力した割合の根拠は、上のメモに残してください。

入力した値で積と内訳を確かめます。割合の推薦や、経費にできるかの判定は行いません。未記入の根拠はメモにも「未記入」と残ります。

金額は0〜999,999,999,999.99円(小数2桁まで)、割合は0〜100%(小数4桁まで)。半角数字と小数点で入力します。すでに按分した金額に、もう一度割合をかけないでください。

按分前の対象金額と、自分で根拠を確認した割合を入力してください。

1円単位の表示は小数部分を四捨五入しています。表示用の丸めであり、帳簿・申告の法定の端数処理を示すものではありません。計算値と自分の記帳方法を照合してください。

入力はこの画面内だけで処理し、外部へ送信しません。再読み込みやページを閉じると消えるので、必要なメモを自分の記録先へ保存してください。

根拠・確認先:国税庁|No.2210 必要経費の知識 / 国税庁|所得税基本通達45-1・45-2 家事関連費

引っ越しや働き方の変更があったら見直す

引っ越しや仕事部屋の変更、家族との共用開始は、割合を見直すタイミングです。以前と使い方が変わったら、仕事に使う分を改めて計算しましょう。変更した月と理由も残しておくと、金額が変わったわけを説明できます。

毎月根拠をゼロから作り直すのではなく、最初に考え方を残し、変化があったか確認する運用にすると続けやすくなります。スマホ代・家賃・Wi-Fiの具体例は関連記事で確認できます。

よくある質問

とりあえず50%にしてよいですか?

使い方を調べずに50%と決めるのは避けましょう。通話の記録や仕事用の面積などをもとに、仕事で使う割合を説明できるようにします。

Recollyを使う場合は、経費分だけを入力しますか?

按分の入力欄を使う場合は、按分前金額と事業利用割合を入力します。計算済みの金額にもう一度割合をかけないよう、結果まで確認してください。

白色申告でも家事按分は関係しますか?

白色申告でも、仕事と私用で共用する費用は分けて考えます。仕事に必要な金額を明らかに区分できれば、その部分が必要経費になります。白色だから一律50%、という決まりはありません。

試算結果を、そのまま申告の経費額にできますか?

この試算は入力した金額と割合の積を示すものです。費用の対象範囲、事業での使い方、割合の根拠、経費にする時期は別に確認します。根拠が未確定なら、試算できても確定合計へ入れず、確認待ちの記録に残してください。

参照した一次情報

制度は内容確認日時点の情報です。適用する年・契約・申告条件によって扱いが異なります。具体例は説明用の架空例です。

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