家事按分
自宅兼事務所の家賃|按分割合の決め方と記録例
自宅の家賃は、仕事に使う部分を明確に分けられれば、その分を経費にできます。
割合は、自宅全体に対して仕事で使う場所や時間がどれくらいかをもとに決めます。この記事では、親族ではない大家さんなどから借りた住宅を例に、仕事専用の部屋がある場合と、生活の場所を兼用する場合を見ていきます。
仕事専用の部屋と、リビングの一角では事情が違う
仕事専用の部屋と、食事やくつろぐ時間にも使うリビングでは、家賃の分け方が変わります。まずは間取り図に、仕事専用・生活との共用・私用の場所を書き込んでみましょう。
「家で働いている」という事実だけで住居全体を事業用にするのではなく、事業に必要な部分を区分できるようにします。机を置いている面積と、部屋全体を仕事専用に使っている面積も、同じとは限りません。
50㎡のうち10㎡を仕事専用に使うなら
住宅全体50㎡のうち、10㎡を仕事だけに使っているとします。10÷50=0.2なので、仕事用の面積は家全体の5分の1、つまり20%です。この面積比が実際の使い方を表していれば、家賃100,000円×20%=20,000円を経費にする、という考え方です。
この例は10㎡を仕事だけに使う場合です。家族と共用する場所の割合は、次の節で考えます。共益費などがあれば、家賃とは別に金額を把握しておきましょう。
| 確認項目 | この例の条件 |
|---|---|
| 住宅全体 | 50㎡ |
| 仕事専用として使う部分 | 10㎡ |
| 面積割合 | 10÷50=20% |
| 対象の月額家賃 | 100,000円 |
| 事業分 | 100,000×20%=20,000円 |
食卓で仕事をするときも、面積だけでよい?
食卓を昼は仕事、夜は食事に使うなら、その場所すべてが仕事専用とはいえません。まず「リビングの食卓部分4㎡、平日9〜15時は仕事、夕方以降は家族が使用」のように、場所・時間・用途を書きます。
この例の4㎡をそのまま仕事専用の面積として計算せず、私用の時間も含めて分け方を考えます。住まい方によって条件が変わるため、共用スペースの割合を決めにくいときは、間取り図とこのメモを持って税理士や税務署に相談しましょう。「自宅で仕事をしている」だけより、具体的な使い方を伝えられます。
割合を決めるときは、仕事専用の場所は面積で分け、生活と共用する場所は面積に加えて利用時間と用途も確認します。
間取り図と計算メモを残し、家賃の仕事用の金額を記録する
間取り図と割合の計算メモは、最初に作って賃貸借契約書と一緒に保管します。毎月作り直す必要はありません。引っ越しや仕事部屋の変更があったときに、変更した月と新しい割合を追記しましょう。
帳簿や表計算には、対象月、支払先、家賃100,000円、事業割合20%、経費20,000円を残します。計算に使った間取りや利用状況のメモを一緒に見返せれば、手書きでも同じように整理できます。
同じ生計の配偶者や親族へ払う家賃は、この第三者への家賃の例と同じ扱いにはできません。契約や支払いの相手も先に確かめてください。
根拠・確認先:国税庁|No.2210 必要経費の知識
よくある質問
家賃の20%でも経費にできますか?
はい。50%以下でも、仕事に必要な部分を明確に区分できれば、その部分は経費の対象になります。この例では、住宅全体50㎡のうち10㎡を仕事だけに使っているため、家賃の20%を事業分として計算します。
毎月同じ割合を使ってもよいですか?
仕事に使う場所や使い方が変わらなければ、最初に決めた根拠をもとに計算できます。家賃の変更、引っ越し、家族との共用開始があったら金額や割合を見直しましょう。
持ち家にも、家賃の計算例を使えますか?
この例は、第三者から借りて家賃を払っている住まい向けです。持ち家は家賃ではなく、建物の減価償却費などを考えるため、住宅ローンの返済額にこの割合を掛ける計算はしません。
同居する家族へ払った家賃も対象ですか?
同じ生計の配偶者や親族への家賃は必要経費にならないとされており、この記事の第三者からの賃借の例は使えません。契約と家族の状況を確認してください。
参照した一次情報
- 国税庁|No.2210 必要経費の知識必要経費・家事関連費・生計を一にする親族への支払(2026年4月1日現在)
- 国税庁|所得税基本通達45-1・45-2 家事関連費利用状況等による判断、業務上必要な部分の区分
制度は内容確認日時点の情報です。適用する年・契約・申告条件によって扱いが異なります。具体例は説明用の架空例です。