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固定資産

固定資産とは?減価償却のしくみと耐用年数をやさしく解説

仕事用のパソコンを買って記録しようとしたら、「固定資産」「減価償却」という言葉が出てきた。普通の経費と何が違うのでしょうか。

固定資産は、仕事で長く使うために持つ資産です。そのうちPCや機材のように時間とともに価値が減るものは、原則として購入費を何年かに分けて経費にします。この処理を「減価償却」といいます。

まずは身近な買い物を例に、固定資産と経費の関係を見ていきましょう。10万円などの金額基準は、基本のしくみが分かってから説明します。

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記事内の金額・利用割合は説明のための例です。

固定資産とは、仕事で長く使うために持つ資産のこと

仕事用のPC、撮影用のカメラ、事務所の机、事業に使う車や建物。こうした、自分の仕事で長く使うものが固定資産の身近な例です。販売するために仕入れた商品とは分けて考えます。

コピー用紙のように日々使って減っていくものと違い、PCや机は買った後も何年か仕事に役立ちます。そのため、購入費をいったん「資産」として記録し、使っていく期間に応じて経費にするのが基本です。

ただし、長く使うものなら必ず何年にも分ける、というわけではありません。少額のものを買った年に経費にできるルールもあります。まずは基本を押さえ、金額による例外は後半で確認します。

  • PC:文章を書く、デザインする、オンラインで打ち合わせをするために使う。
  • カメラ:撮影の仕事に継続して使う。
  • 机や棚:事務所で長く使う。

根拠・確認先:国税庁|No.2100 減価償却のあらまし

減価償却とは、購入費を使う期間に分けて経費にすること

たとえば20万円のPCを、何年か仕事に使うとします。購入時に20万円を支払っていても、その20万円すべてが購入年の経費になるとは限りません。お金を払う時期と、経費にする時期を分けて考えます。

購入費を何年かに分けて経費にする処理が「減価償却」。各年の経費にする金額を「減価償却費」と呼びます。固定資産も経費になりますが、経費にする時期が数年に分かれるのです。

下の図は、20万円の購入費を4年間に分けるイメージです。新品の一般的なPCを1月から仕事専用で使う場合を基に、経費になる時期を示しています。申告用の各年の金額は、使用開始月などの条件に合わせて計算します。

20万円の購入費を、4年に分けて経費にするイメージ

新品・仕事専用・1月から使用・定額法(4年)

買ったときに支払う金額200,000円まずはPCを資産として記録

購入費を各年の経費へ

  1. 1年目この年の経費50,000円
  2. 2年目この年の経費50,000円
  3. 3年目この年の経費50,000円
  4. 4年目この年の経費50,000円

20万円を一度に経費にせず、4年間に分けて少しずつ経費にします。

根拠・確認先:国税庁|No.2106 定額法と定率法による減価償却 / 国税庁|耐用年数(器具・備品)(その1)

何年に分ける?資産の種類によって「耐用年数」が違う

経費に分ける期間の基準となるのが「法定耐用年数」です。自分で「このPCは2年で買い替えるから2年」と決めるのではなく、税務上の資産の種類に応じた年数を使います。

新品の一般的なPCは4年、カメラは5年。同じ机でも、材質によって年数が変わります。名前だけで決めず、用途や材質を耐用年数表と照らし合わせましょう。

資産の例(新品)・法定耐用年数
資産の例(新品)法定耐用年数
パソコン(サーバー用を除く)4年
カメラ5年
事務机・事務いす・キャビネット(主として金属製)15年
事務机・事務いす・キャビネット(その他)8年

根拠・確認先:国税庁|耐用年数(器具・備品)(その1)

毎年いくら経費になる?年の途中の購入や私用にも注意

毎年の経費は、買うのにかかった金額と、経費に分ける年数・方法から計算します。購入代金に送料などを加えた金額が「取得価額」です。

ここでは、毎年一定額ずつ経費にする「定額法」で考えます。20万円の一般的な新品PCなら、1年分は20万円×25%=5万円。7月から使い始めた年は半年分なので、5万円×6か月÷12か月=2万5,000円です。買った日ではなく、仕事で使い始めた月から数えます。

仕事と私用の両方に使う場合は、計算した償却額に仕事用の割合を掛けます。1年分の償却額が5万円で、仕事用60%と説明できるなら、その年の経費は3万円です。

根拠・確認先:国税庁|No.2106 定額法と定率法による減価償却 / 国税庁|No.2210 必要経費の知識 / 国税庁|No.2100 減価償却のあらまし

買った年に全額を経費にする方法と、3年に分ける方法

少額の資産には、通常の耐用年数で分ける方法のほかに、使い始めた年に全額を経費にする方法や、3年間で均等に分ける方法があります。何年で経費にするかと、使える条件を分けて見てみましょう。

10万円以上20万円未満の資産では、条件を満たせば、3年間に分けて毎年3分の1ずつ経費にできます。仕事専用の12万円のPCなら、使い始めた年に4万円、翌年に4万円、その翌年に4万円です。この方法を「一括償却資産」としての処理といい、青色申告でも白色申告でも選べます。

ここでいう「一括」は、対象の資産をまとめて扱うという意味です。その年に全額を経費にする意味ではありません。一方、一定の青色申告者が使える「少額減価償却資産の特例」では、条件を満たせば、仕事専用の12万円のPCを使い始めた年に全額経費にできます。

表の金額は取得価額で判定します。税込・税抜のどちらで見るかは適用している経理方式によって異なり、消費税の免税事業者は税込です。仕事と私用で共用する場合は、使える処理方法を判定したうえで、仕事で使う分だけを経費にします。

一定の青色申告者が使える特例の上限は、取得日で変わります。2026年3月31日までに取得した資産は10万円以上30万円未満、2026年4月1日以降に取得した資産は10万円以上40万円未満です。2026年4月以降に取得した30万円の資産は金額条件を満たしますが、40万円ちょうどは対象外です。

この特例を使う資産の取得価額の合計は年間300万円までです。事業の経費全体の上限ではありません。現行の取得期限は2029年3月31日で、青色申告者の要件や貸付用などの除外条件も確認します。

「未満」は、その金額ちょうどを含みません。たとえば20万円ちょうどの資産は、3年間で分ける「20万円未満」の方法には入らず、通常の減価償却や青色申告の特例を検討します。

取得価額など・経費にする時期・方法
取得価額など経費にする時期・方法
10万円未満など原則として、仕事で使い始めた年に全額を経費にする
10万円以上20万円未満条件を満たせば、3年間で毎年3分の1ずつ経費にできる(一括償却資産)。青色・白色とも選択可
一定の青色申告者・10万円以上40万円未満(2026年4月1日以降の取得)条件を満たせば、仕事で使い始めた年に全額を経費にできる(少額減価償却資産の特例)。2026年3月31日までの取得は30万円未満。対象資産の合計は年間300万円まで
上記に該当しない・特例等を使わない原則として、資産の耐用年数に応じて経費に分ける(通常の減価償却)

根拠・確認先:国税庁|No.2100 減価償却のあらまし

固定資産台帳には、買ったもの・金額・使い始めた日を残す

何をいつ買い、いくらを経費にしたか。翌年も計算を続けられるよう、固定資産を一覧にまとめます。この一覧が「固定資産台帳」です。会計ソフトでも表計算でも、購入から売却・廃棄までの記録を追えるようにしておきましょう。

購入時の領収書や請求書と一緒に、次の内容を残します。青色・白色による処理の違いや按分の具体例は、関連記事「12万円のPCは経費にできる?」でも説明しています。

売却・廃棄したときは、その日付と金額、関係資料も残します。記録を消すだけでは、それまでの計算や処分時の扱いが分からなくなります。また、所得税の経費計算とは別に、自治体への償却資産の申告が必要な場合もあります。

管理項目・残す内容の例
管理項目残す内容の例
資産の内容名称・型番・事業での用途
取得価額本体と付随費用、税込/税抜の経理方式
日付取得日と業務で使い始めた日
処理方法通常の償却・一括償却・特例など
利用状況事業利用割合とその根拠
元のレシートや領収書請求書・領収書・納品書など

根拠・確認先:国税庁|個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存 / 東京都主税局|固定資産税(償却資産)

よくある質問

土地も毎年減価償却しますか?

土地は、建物や備品のような減価償却資産には該当しません。固定資産という言葉だけで、すべてを同じ償却処理にしないようにします。

減価償却が終わったら、そのPCは使えなくなるのですか?

使えます。減価償却が終わっても、PCはそのまま使い続けられます。

私用にも使うPCはどうしますか?

取得価額の判定と、事業分として経費にする金額を分けて考えます。利用割合の根拠を残し、減価償却と按分の扱いを確認してください。

参照した一次情報

制度は内容確認日時点の情報です。適用する年・契約・申告条件によって扱いが異なります。具体例は説明用の架空例です。

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